1 農業振興及び地産地消
2 道路損傷通報システム
3 指定管理者制度
4 地域包括ケアシステムにおける訪問看護の重要性
5 地域福祉の充実のための空家活用の推進
6 参政権の確保
7 若者の力を生かした社会課題の解決
8 横浜でのラグビー振興
9 コロナ禍で厳しい状況にある事業者への支援
10 ワクチンplusキャンペーン
11 将来の新興感染症等の感染拡大時における医療提供体制
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立憲民主党・横浜市会議員団の田中ゆきです。会派を代表し、質問をさせて頂きます。宜しくお願い致します。
1 農業振興及び地産地消
まず初めに、農業振興と地産地消について伺います。
私の生きがいの一つに、地元農家さんとの交流があります。青葉区の、農業が身近な環境で育った私には、美味しい野菜や果物を育てる、農家の皆さんが魅力的で、ずっと続けて欲しいと思っています。しかし、農家の皆さんから「後継者」や、「農業継承」の課題を聞くこともあり、悲しい気持ちになります。
横浜の大きな魅力、貴重な財産である、農業を守り、維持・推進するには、行政も現場のニーズを、さらに丁寧に把握し、支援することが重要と考えます。そこで、
(1)本市における、農業振興に対する考えについて、市長に伺います。
(山中市長)
本市に身近なところにある都市農業は、農業生産の場としてだけでなく、農体験や美しい農景観により市民生活に安らぎと潤いを与えるとともに、防災など多彩な機能を持ち、都市にとって必要不可欠なものです。
農家のニーズに即した農業生産基盤の整備や農地の利用促進、農業後継者に対する支援等により引き続きしっかりと農業振興に取り組んでまいります。
近年は、ロボット技術や、情報通信技術を活用した、「スマート農業」、に注目が集まっています。本市にも、導入支援制度がありますが、農家の皆さんにとっては、技術力や資金面に不安があり、導入に、前向きになれない状況が、あるようです。そこで、
(2)スマート農業、普及に向けた、取組について、市長に伺います。
(山中市長)
農家の皆様の理解を深め、導入の効果を知っていただくため、生育環境を制御するモデルハウスで試験栽培を行い、現地研修会等を実施する予定です。また、本市の支援策について、JA横浜と連携しながら農家の皆様に分かりやすく丁寧に説明するとともに、導入に意欲的な農家の皆様の意見を反映させるなど、普及に向けた取組を推進していきます。
私は、野菜に関しては、年間を通じ、地元農家さんの直売所で購入し、食卓をまかなっています。旬の一番美味しい農産物を、身近な所で購入できるのは、地産地消がもたらす、豊かな暮らしだと思います。そこで、
(3)本市の地産地消を、推進するための取組について、市長に伺います。
(山中市長)
市民の皆様に実感していただくため、直売所の整備支援や、市内産の苗木や花苗の配布などの取組を進めています。また、地産地消を広げる人材の「はまふぅどコンシェルジュ」の育成や、マルシェ開催などを通じて様々な企業との連携にも取り組んでいます。さらに横浜らしい農業全体を一つの農場に見立てた「横浜農場」を活用したプロモーションも進めています。
私は、地産地消が、特別なことではなく、身近な直売所などで、地元の農産物を通じて、地域の皆さんが繋がり、暮らしをより豊かにする、日常の一場面になって欲しいと願っています。そこで、
(4)市民の身近な場所で、農産物が生産されている本市だからこそ、より一層、地産地消を進めていくべき、と考えますが、市長の見解を伺います。
(山中市長)
市民の皆様に横浜の食と農の豊かさを知っていただき、日々の暮らしの中に地産地消を取り入れていただくことが重要だと考えます。生産者と消費者の距離が近い本市の特徴を生かし、地産地消を推進することにより、農家の方々と市民の皆様の関係性が一層深まるよう積極的に取り組んでいきます。
お一人でも、多くの市民の皆さんが、地産地消に慣れ親しみ、横浜の農業の魅力を、堪能できるような取り組みを、進めて頂くことを要望し、次の質問に移ります。
2 道路損傷通報システム
次に、道路損傷・通報システムについて、伺います。
私が頂くご相談の中で、特に多いのが、道路に関するご相談です。その際には、現場へ足を運び、写真を撮り、住所を把握し、地図で示した資料を作り、土木事務所や警察署へ、対応をお願いしに上がります。
そのプロセスを、LINEを活用して行える、「道路損傷通報システム」が、今年5月から運用開始しました。私も早速活用し、通報した道路損傷が、迅速に修復され、画期的なシステムだと思いました。運用開始以来、毎月100件以上を超える通報が、寄せられているとのことです。そこで、
(1)LINEを活用した道路損傷・通報システムの狙いについて、市長に伺います。
(山中市長)
多くの方がご利用になっているLINEを活用し、簡易な操作で現地の写真や位置情報といった具体的な情報を通報できるようにしたものです。
連絡先等の個人情報を伝える必要がなく、職員とのやりとりなしで通報できることから、新たな利用層の開拓にもつながっていると考えています。
このシステムは、利用者にとって、利便性が高いだけでなく、同時に、道路・管理者である、道路局や土木事務所にとっても、メリットがあると思います。そこで、
(2)LINEによる通報システムが、加わったことによる道路管理者としてのメリットについて、市長に伺います。
(山中市長)
いただいた情報から損傷の程度等の把握が容易になりますので、迅速で効率的な補修の実施が可能になります。これにより道路の損傷や不具合に起因する事故を未然に防げるようになることで、道路の管理水準が上がるものと考えています。
今後とも、利用者、行政、双方にとって、より利便性や、有効性の高いシステムとなるよう、取り組んで頂きたいと思います。
また、電話やメール、窓口での対応を、ご希望される方への対応も、引き続き、丁寧に行って(おこな)頂くことをお願いし、次の質問に移ります。
3 指定管理者制度
次に、指定管理者・制度について伺います。
指定管理者制度、導入の目的は、市民サービスの向上と、経費の節減です。経費の節減の目的がありますが、コロナ禍、指定管理者も収入が減少し、職員の皆さんの賃金カットが心配です。
本市では、社会情勢を踏まえ、人件費を指定管理料に反映する「賃金水準スライド」制度を、平成30年度から順次導入しています。
令和3年度の予算では、コロナ禍に配慮し、ルール上はマイナス変動となる、正規職員の減額を見送り、臨時職員の増額のみを実施しました。しかし、長引くコロナ禍、施設を取り巻く状況は、引き続き、厳しいと思います。そこで、
(1) 賃金水準スライドの令和4年度予算への反映のお考えを、市長に伺います。
(山中市長)
賃金水準スライドで正規職員分の根拠としている本市人事委員会による民間給与実態調査の数値はマイナスとなっており、そのまま適用すると指定管理者の賃金支払いに影響を及ぼしかねません。
そこで、コロナ禍に配慮し、令和3年度予算の対応と同様に4年度についても減額は適用せず、最低賃金の上昇に伴う臨時職員分の増額を措置する方向で検討しています。
経営状況が厳しい時だからこそ、これまでのノウハウや経験を活かし、さらに効率的な施設管理を検討することも、必要だと思います。
一部の合築施設で導入されている、一括管理の手法を、近隣の同種施設にも、積極的に導入し、複数施設の一括管理による効率化を、さらに進めるべきと考えます。そこで、
(2)指定管理者のノウハウや経験値をさらに引き出すために、一括管理による選定を推進すべき、と考えますが、市長の見解を伺いします。
(山中市長)
複数施設の一括選定により、施設運営の効率化や調達コストの低減などの利点が考えられる一方、業務内容が広範かつ高度になることから、受託できる事業者が限られるなどの課題も考えられます。
そのため、指定管理施設の一括選定については、こうしたメリットとデメリットを比較しながら慎重に考えていきます。
施設管理が効率化されれば、その分、限られた資源を、市民サービス向上に活用することも、期待されます。今後とも、市民サービスの充実と、経費の節減の両立を、推進頂くことを要望し、次の質問に移ります。
4 地域包括ケアシステムにおける訪問看護の重要性
次に、地域包括ケアシステムにおける、訪問看護の重要性について、伺います。
私が看護師として、在宅医療・介護の現場にいた頃、「地域包括ケアシステム」は絵にかいた餅のようだと感じていました。
「地域包括ケアシステム」は、「包括」という言葉が示すよう、その対象は広く、全ての対象のニーズを満たすことは、容易ではありません。そのため、ニーズが満たされていない、対象の方は、「地域包括ケアシステム」という言葉だけが、先走りしているように、感じてしまうのだと思います。
とはいえ、「地域包括ケアシステム」の概念が登場したのは、1980年代、これまで国や行政が蓄積してきたノウハウは十分あると思います。
これから団塊の世代全員が、75歳以上となる、2025年に向け、本市独自の「地域包括ケアシステム」の構築が、気になるところです。そこで、
(1)地域包括ケアシステムの構築に向けた本市の取組について、市長に伺います。
(山中市長)
地域ケアプラザを中心に自治会町内会やボランティア団体、NPO法人など、多様な主体による活発な市民活動と協働しながら、日常生活圏域ごとに「横浜型地域包括ケアシステム」の構築を進めてきました。
また、高齢者施設等の整備や介護人材の確保、認知症の方への支援に取り組むとともに、在宅生活を支える医療や介護の充実に取り組んでいきます。こうした取組により高齢者が地域で安心して暮らし続けることができる街よこはまを目指していきます。
24時間365日の在宅医療・介護は、経験した人にしか分からない、心身の大きな負担があります。私も家族を在宅で介護し、改めて「地域包括ケアシステム」の重要性を感じました。
特に、私たち家族の支えとなったのは、訪問看護師です。重い病を抱える家族を、在宅でケアするには、看護師の私でも大きな不安を感じるもので、訪問看護師の専門性は、療養者、家族を安心させてくれます。
医療の進展により、在宅療養者の疾病も、重度化、多様化、複雑化しています。そのため、訪問看護ステーションの看護師には、質の高いサービス提供が求められます。そこで、
(2)訪問看護ステーションにおいて、質の高いサービスを提供する上での課題について、副市長に伺います。
(城副市長)
訪問看護においては、利用者の疾病や年齢の状態も様々で、訪問看護師には、より総合的な対応力と経験が求められています。
質の高いサービスを提供し、利用者それぞれのニーズを満たすために、その能力の維持向上に向けた人材育成に継続して取り組んでいくことが課題です。
訪問看護ステーションは、人材の維持、確保に困難を抱えています。また、小規模ステーションほど、収支が悪く、閉所するステーションも少なくありません。
「地域包括ケアシステム」は、在宅医療・介護の推進を掲げています。それを支える、訪問看護ステーションの人材育成や確保には、行政もバックアップをしていく必要性があると考えます。そこで、
(3)訪問看護ステーションの人材育成や確保における本市の取組について、副市長に伺います。
(城副市長)
新任や中堅の訪問看護師を対象とした、疾病ごとの基礎知識や対応方法を学ぶ研修や、管理者を対象とした事業所の経営に関する研修を実施しています。
潜在看護師の人材確保においては、復職への不安を取り除くことを目的に訪問看護の講義や実習を実施しています。
また、目指すべき訪問看護師像として、5段階の看護実践能力評価指標を設けた「横浜市訪問看護師人材育成プログラム」を策定し、訪問看護ステーションでの人材育成を支援しています。
今後、本市も高齢化が進み、「地域包括ケアシステム」において、医療と介護をつなぐ、訪問看護の役割がますます大きくなってくると考えます。そこで、
(4)地域包括ケアシステムにおいて、訪問看護の役割が大変重要と考えますが、市長の見解を伺います。
(山中市長)
在宅療養を支える訪問看護の役割は、ますます重要になるため、訪問看護の関係団体と連携しながら、看護師の安定的な確保、質の維持や向上に取り組んでいきます。
また、地域包括ケアシステムの構築に向けて、医療や介護が必要な場面に応じて、適切なサービスを提供するために、引き続き在宅医療連携拠点を軸とした医療・介護連携の強化を進めていきます。
東京都には13カ所、大阪府には18カ所、訪問看護ステーションの人材育成や、教育支援を行う、訪問看護・教育支援ステーションがあります。本市においても、まずは北部・中部・南部の3ブロックに、訪問看護・教育支援ステーション設置をご検討頂くことを切に要望し、次の質問に移ります。
5 地域福祉の充実のための空家活用の推進
次に、地域福祉充実のための、空家活用の推進について、お伺いします。
訪問看護事業所や、障がい者グループホームなど、福祉サービス事業所を、立ち上げようと意欲的な方々が、行政や民間業者等に、問い合わせをしても、事業に適した土地や、建物を見つけられない現状があります。物件が見つからないという理由で、開所を断念せざるを得ない状況は、施設の偏在化が起こるなど、地域によっては、市民サービスの低下につながる恐れもあります。
建築局では、今年度から、市民協働推進センターと、市住宅供給公社との協働により、空家所有者と、地域貢献・活動拠点を探している、団体や事業者とを結びつける、マッチング制度を開始しています。私は、この取組の中で、地域福祉サービス事業所等も含め、幅広くマッチングを推進していく必要がある、と考えています。そこで、まず、
(1) 空家活用のマッチング制度における幅広い地域福祉サービス事業所等への対象拡大について、市長に伺います。
(山中市長)
マッチング制度において、地域貢献施設は高齢者、障害者、子育て、まちづくりなどの活動拠点を対象としていますが、福祉関係の事業所等の相談についても、幅広く対応していきたいと考えています。
地域貢献施設に対する支援には、関係区局のほか、様々な団体が関わっています。ですので、このマッチング制度において、関係区局や団体が、横断的に連携して取り組み、空家(あきや)の活用促進と、地域福祉の充実を、結びつけることが重要と考えます。そこで、
(2)地域貢献施設に関わる区局や団体が連携し、空家の活用を推進すべきと考えますが、市長の見解を伺います。
(山中市長)
空家等対策協議会や空家の相談窓口、専門相談員派遣事業などで、建築・法律・まちづくり等の専門家団体と連携しながら空家対策全般に取り組んできました。
今後、空家活用をより一層推進するため、福祉、子育て支援等の地域貢献施設に関わる区局や団体等とも情報共有や連携をしっかりと図りながら取り組んでまいります。
本制度は、子育て世代や若者の、住宅費の負担軽減にも、活用できると思います。
本制度が、住み慣れた地域で、安心して暮らし続けたいという市民の皆様の思いに答えられる制度へと、成長していくことを期待し、次の質問に移ります。
6 参政権の確保
次に、投票したくても、できない市民の「参政権の確保」について、伺います。
「参政権」は,国民の意見を政治に反映させ,国民の人権を実現するための重要な権利です。
しかし、いまの横浜市において、有権者全員の「参政権」が、確保されているのか、心配です。高齢や障がい等により、投票所へ行くことができず、投票したいのに、投票できない市民が、取り残されたままに、なっているのではないでしょうか?
高齢や障がい等により、投票できない市民がいる、ということは、それら市民の意見が、政治に反映される機会を失うこと、を意味すると思います。現在、在宅療養者で、投票権を行使できるのは、身体障害者手帳か、戦傷病者手帳をもち、かつ定められた等級の方、「要介護5」の方が、所定の手続きをした場合に限られています。そこで、
(1)要介護の等級や障がいの程度などに関わらず、投票権をもち、選挙で投票したいと思う方、すべての人が、投票できる環境を整えることが重要と考えますが、選挙管理委員会・委員長に見解を伺います。
(菅野選挙管理委員長)
誰もが投票しやすい環境を整備していくことは、本当に大切な重要な使命であると考えております。公職選挙法では、身体に重度の障害がある方及び介護保険法上の要介護5の方を対象とした「郵便等投票」の制度が設けられておりますが、適用対象者の範囲を拡大するように政令市で組織する指定都市選挙管理委員会連合会から現在、国に強く要望しているところです。
本市では以前より「誰もが投票しやすい環境づくり」を目指し、各区の選挙管理委員会とも連携して、ソフト、ハードの両面から取り組んでいるところです。
今後も高齢者の方や障害のある有権者の皆様の参政権の確保に向けて積極的に取り組んでいきたいと思っております。
「投票したくても、できない人」を始め、全ての有権者に、憲法で保障されている、「参政権」を確保することを、自治体レベルでも、真剣に、検討頂くことを切に要望し、次の質問に移ります。
7 若者の力を生かした社会課題の解決
次に、「若者の力を活かした社会課題の解決」について伺います。
「データサイエンス」と聞くと、無機質なデータや、数字を根拠に、政策決定をする、機械的で冷たいイメージを、かつての私は、抱いていました。
しかし、市長が、市長になる前に、人のためになる仕事をしたいから、「データサイエンスの道を志した」というお話を耳にし、「データサイエンス」のイメージが、温かいものに変わりました。私は、市民の皆さんとの、丁寧な対話を、繰り返すことで得られた、血の通った、「生きたデータ」の活用が、真の社会課題・解決に繋がると思っています。
その実例には、「地方議員によるデジタル・タウン研究会」代表の鈴木太郎議員をはじめ、諸先輩方のご尽力により、本市が積極的に進めて来た、アイデアソン・ハッカソンがあります。そこで、
(1)本市におけるアイデアソン、ハッカソンの実績と特徴について市長に伺います。
(山中市長)
横浜市は、オープンデータに取り組み始めた当初から、民間のエンジニア、大学生及び専門学校生などにご協力をいただき、観光アプリの開発などにおいてアイデアソン、ハッカソンを進めてきました。
現在でも「介護」や「観光」をテーマに、専門学校生や大学生と共にデータ活用による現況分析と新しい仕組みやサービスの創発を目指して取り組んでおり、若者たちが主役であることが横浜のアイデアソン、ハッカソンの特徴となっています。
「介護デジタルハッカソンin横浜」では、若者達が、地域住民の課題に、真摯に向き合い、柔軟で、斬新なアイデアを、次々と提案する姿に、感動しました。一方で、それらアイデアが、果たして実装化できるのか、正直心配にもなりました。そこで、
(2)アイデアソン、ハッカソンでの実装化に向けた取組内容について、市長に伺います。
(山中市長)
例えば「介護デジタルハッカソン」では、専門学校生や大学生が異なる専門領域にまたがってチームを組み、開発の初期段階から関連する部署の行政職員や医療福祉の専門家、地域住民や企業の皆様らとのオンラインを中心とした意見交換を活発に行っています。
また、試作品の製作後は、例えば戸塚リビングラボに参加する介護事業者などを通じて、ユーザーに対する実証実験を行うなど、利用者である市民の皆様に寄り添うサービスの開発に注力しています。
9月の最終発表会では、若者達のアイデアが、見事に実装化されていました。ハッカソンは、若者達の人生にとって、プライスレスな、貴重な経験かも知れません。
しかし、学生時代の貴重な時間を費やし、学業等との、両立を続けながら、これだけの成果を生み出す若者達へ、成果に見合ったインセンティブを提供して頂きたいと思います。そこで、
(3)アイデアソンやハッカソンの実施にあたっては、担い手である若者達へのインセンティブが必要と考えますが、市長の見解を伺います。
(山中市長)
これまで、アイデアソンやハッカソンの成果に対して、様々な専門家で構成される審査員からのフィードバックと併せ、民間事業者の協力により賞金を用意して実施してきました。
参加する若者たちにとって、将来に向けた有意義なキャリア形成の機会となること、取組でのアイデアや成果に対するインセンティブが得られることなどを念頭に、引き続き主催する民間の皆様方と相談しながら、参加する若者たちの意欲を高めるための工夫を重ねていきたいと考えております。
私は本市の「ハッカソン」のレベルを高めている、大きな要因の一つに、専門学校生の活躍があると思います。私自身、専門学校で学び、専門学校の教員も経験し、専門学校生のもつ意欲や熱意、探究心は、もっと社会に活かすべきだと、強く思って来ました。
大学ばかりに注目が集まりがちですが、本市においては、市内の専門学校とも、協定を結ぶなど、積極的に連携を進めていって頂きたいと思います。そこで、
(4)市民の課題解決や本市の政策形成にあたり、専門学校とも積極的に連携していくべきと考えますが、市長の見解を伺います。
(山中市長)
市内には、医療・福祉、IT、デザインなど、それぞれの分野で実績のある学校が多くあります。
市民の皆様のニーズに応じた新しい公的サービスの開発に当たっては、今後、ますます若者たちの柔軟で斬新な発想や専門的技術が求められることから、積極的に専門学校との連携を図ってまいりたいと考えています。
若い力は、閉塞感ただよう、停滞した社会に、新たな視点や活力を与え、社会を変える原動力となります。今後、より一層、若い力を、市政の課題解決に活かし、優秀な人材が、横浜に根づくような施策を、推進して頂くことを要望し、次の質問に移ります。
8 横浜でのラグビー振興
次に、元ラガーマンでもある市長に、横浜でのラグビー振興について、伺います。
2019年のラグビーワールドカップでは、本市で、決勝戦を含む6試合が開催され、本市だけでなく、日本全国で、ラグビー熱が高まりました。
この高まりを一過性のものとせず、ラグビーが「もっと日本に定着すること」を目指す、「自治体ワンチーム」が、2020年3月に設立されました。140の自治体が加盟し、その会長は横浜市長です。ぜひ、市長には、会長として、元ラガーマンとして、先陣を切って、横浜から日本全国へ、ラグビー熱を高めていって頂きたいと思います。そこで、
(1)自治体ワンチーム会長としての意気込みについて、市長に伺います。
(山中市長)
私自身、ラグビーの経験者として日本ラグビーの更なる発展を願っており、会長職を務めることを光栄に思っております。
自治体ワンチームにはラグビーワールドカップに関わった自治体だけでなく、ラグビー競技の発展を願う自治体も多数参加しています。参加自治体や日本協会の皆様と共に競技の普及やラグビーを通じた地域振興にしっかりと取り組んでいきます。
ラグビー競技は、フェアプレイの精神、ノーサイドの精神など、精神性の高いスポーツです。特に子ども達が、ラグビー競技に慣れ親しむことは、将来有望な選手の輩出だけでなく、人間性に優れた人材育成にもつながります。
本市には、社会人ラグビーチームやラグビー強豪校もありますので、官民連携し、子ども達がラグビー競技に、慣れ親しむ機会を、増やしていって頂きたいと思います。そこで、
(2)横浜でのラグビー競技普及の考え方について、市長に伺います。
(山中市長)
ラグビー競技を通じて感謝の心や仲間の大切さなど、子どもたちの成長に欠かせないことを数多く学べると考えています。
横浜はラグビー発祥の地ということもあり、小学生からリーグワンまで、数多くのチームが活躍されています。ラグビーワールドカップのレガシーを残していく上でも、横浜市の財産ともいえるこうした関係者の皆様のお力添えもいただきながら、次世代を担う子どもたちにラグビーをはじめ、スポーツの素晴らしさを伝えていきます。
横浜は、日本ラグビー発祥の地です。発祥の地、横浜らしい、ラグビー精神を重んじた、ラクビー競技普及の取り組みを、より一層進めて頂くことを要望し、次の質問に移ります。
9 コロナ禍で厳しい状況にある事業者への支援
次に、コロナ禍で、厳しい状況にある、事業者への支援について、伺います。
長引くコロナ禍、今月から、市内飲食店のレシートを活用し、ポイント還元等が受けられる、「レシ活チャレンジ」がスタートしました。
本事業は、今後の見通しなども含めると、「飲食店の状況が厳しい」、と判断し、飲食店のみを対象としたと伺いました。そこで、
(1)飲食店の厳しい状況の認識について、市長に伺います。
(山中市長)
令和3年10-12月期の本市景況・経営動向調査の自社業況BSIは、全産業が▲26であるのに対し、飲食業は、▲72.2と、大変低い数値となっています。飲食店からは「徐々に客足は戻ってきているが、感染拡大前に比べ6、7割程度」あるいは「忘年会の予約が入らない」などのお声をいただいており、依然として厳しい状況にあると認識しています。
長引くコロナ禍、クリーニング店やブティック、雑貨店など、あらゆる業種で、経営に苦しむ声が聴かれています。私は飲食店以外の、消費促進をはかることも、重要と考えますので、今後、ご検討頂きたいと思います。
10 ワクチンplusキャンペーン
次に、ワクチンplusキャンペーンについて、伺います。
ワクチン接種率の向上は、ご事情により、ワクチン接種できない方への、感染対策にもつながり、さらに多くの方に、ワクチン接種を検討頂くことが重要です。
本市では、その取組の一環として、10月末から、「ワクチンplusキャンペーン」を実施しています。本キャンペーンでは、新たにワクチン接種をする方だけでなく、すでに2回接種した方も、プレゼントや特典、サービスが受けられます。そこで、まず、
(1)ワクチンplusキャンペーンの狙いについて、市長に伺います。
(山中市長)
若い世代を中心に、更に多くの方にワクチン接種をご検討いただくことで、接種率を向上し、様々な理由によりワクチンを接種することができない方々への感染防止を図ります。
これにより第6波に備えるとともに、多くの事業者の皆様にご参加いただくことで、感染拡大防止と経済回復の両立につなげてまいります。
本キャンペーンは、プレゼントや特典、サービスを提供する事業者と市民、双方へ、広く周知することが重要と考えます。そこで、
(2)ワクチンplusキャンペーンの周知方法について、市長に伺います。
(山中市長)
事業者の皆様に対しては、本キャンペーンの共同実施者である、横浜商工会議所や横浜市商店街総連合会など、市内経済団体の皆様にもご協力いただいて、事業への参加をまちぐるみで呼びかけています。
また、市民の皆様に対しては、著名なプロスポーツ選手等によるPR動画や、SNS、広報よこはま、ホームページなどを活用して幅広く周知を行っています。
本キャンペーンは、民間事業者の皆様に、魅力的なインセンティブを提供頂き、それらを横浜市が取りまとめ、広く、市民へ情報発信する、公民連携の事業スキームです。インセンティブを活用した事業は、政策的に、高い効果も見込め、様々な重要施策への応用も、期待されます。そこで、
(3)公民が連携し、インセンティブを活用する事業を積極的に行うべきと考えますが、市長の見解を伺います。
(山中市長)
本市では、文化観光局の創造的イルミネーション事業「ヨルノヨ」、健康福祉局の「よこはまウォーキングポイント」などにおいて、インセンティブを活用した様々な手法を採用しています。
公民が連携して、まちぐるみで事業を推進することは、政策の実現とともに、市全体の一体感を醸成する上でも効果的であり、引き続き積極的に取り組んでまいります。
ぜひ、こうした手法を、積極的に、本市の政策に取り入れ、これまで以上に、政策効果を高めて頂くこと、をお願いして、次の質問に移ります。
11 将来の新興感染症等の感染拡大時における医療提供体制
最後に、「将来の新興感染症等の感染拡大時における、医療・提供体制の考え方」について伺います。
新型コロナウイルス感染症に対応する、本市の医療・提供体制は、当初、市立病院をはじめとする公立・公的病院において、受入れ体制の整備が始まり、その後、民間病院の協力があり、受入病床の拡充が進みました。
私は当初、感染拡大防止等の観点から、コロナ患者を重点的に受け入れる医療機関と、コロナ以外の患者を受け入れる医療機関の2つを明確に分け、体制を整備したほうが良いのでは、とも考えました。
しかし、第5波のように、爆発的な、感染拡大時では、どの医療機関も、コロナと無関係、とはいかず、多くの医療機関で、受け入れ病床を、整備したことは、合理的な対応であったと思います。
新型コロナウイルス感染症が収束しても、将来、別の新興・再興感染症が、流行する可能性もあり、今回の経験も踏まえ、病床確保対策について、予め明確にしておくことが重要と考えます。そこで、まず、
(1) 将来の新興感染症等の、感染拡大時における病床確保の考え方について、市長に伺います。
(山中市長)
今後発生する新興感染症の感染力、病原性などを事前に予測することは困難ですが、救急医療やがん診療などの通常医療との両立を図り、地域医療を守ることが重要であると考えています。
国においても次期の医療計画において、新興感染症対策を新たに位置付けることとし、現在、その内容を検討しているところであります。本市におきましても、これまでの経験や、今後の国の動向も踏まえ具体的な検討を進めてまいります。
市立病院は、先陣切って、コロナ患者を受け入れ、感染症・指定病院としての重要な役割を果たしました。将来の新興感染症等に係る、医療提供体制においても、市立病院が、地域・感染症医療の砦として、中心的な役割を担うことが重要と考えます。そこで、
(2)将来の新興感染症等の、感染拡大時における市立病院が果たす役割について、市長に伺います。
(山中市長)
将来の新興感染症等の対応に当たっても、まずは感染症指定医療機関である市民病院が中心的な役割を果たしていきます。
さらに、感染の拡大状況に応じて、感染症医療と通常医療の両立を図りつつ、市立大学附属2病院のほか、地域の病院にもご協力をいただき全市的な医療提供体制を構築していきます。
未知なる感染症は、誰しも怖いと感じます。患者様の命を守るため、不安や恐怖と戦いながら、先陣切って、感染症医療を担ってきた、市立(いちりつ)病院の医療従事者の皆様には、感謝の言葉しかありません。
そして、コロナ禍、第一線でご尽力されている、全ての医療従事者の皆さまに対し、心からの感謝の気持ちをお伝えし、私の質問を終了いたします。ありがとうございました。