減災対策推進特別委員会の視察1日目は、福岡県春日市の『災害時の障がいがある人へのサポートについて』についてヒアリングを行いました。
春日市は、福岡市南部に位置し、面積14.15㎢、東西4km、南北5.3km、福岡県下最小の市です。西日本でも有数の人口密度の都市として発展しています。また、「弥生銀座」と呼ばれる程、弥生時代の遺跡が市内各所に点在しています。
春日市には、大きな山や河川がなく、崖崩れや水害はほとんど発生しない地形です。一方、活断層による大地震、近年は特別災害級の台風接近があったことなどから、いつ起きるか分からない災害に対する備えを進めています。
春日市の災害対策の大きな特徴として、自治会が主体となった共助の力を活かした防災活動が行われている点が挙げられます。春日市は、安心生活創造事業を推進しており、その事業の一環として、「ご近所のつながりカード」を作成しています。このカードをもとに、災害時に支援や見守りを必要とする方を、自治会単位でマップ化して、市や社会福祉協議会と情報共有しています。
また、障がいがある方への支援として、「障がいのある人とサポートする人のための防災の手引き」を作成しています。この手引きの優れた点は、障がいの種別ごとに、障がいをお持ちの方が災害時に必要な持ち物や、普段からの備え、災害時の行動について、詳しく書かれていることです。さらには、障がいの種別ごとに、災害時の移動支援や避難先での支援、情報の伝え方や医療機関との連携など、障がいのある方をサポートする側の具体的な行動が書かれています。
この手引きは、障がいがある方へ、手帳交付時にご本人に説明をして手渡しているほか、自治会や民生委員、児童委員、関係団体、社会福祉協議会、市内小中学校等に広く配布しています。障がい者団体の方からは、「全戸配布して欲しい」というご要望が出るほど、障がい者の視点に立った内容になっています。
本市においても、「ご近所のつながりカード」や「障がいのある人とサポートする人のための防災の手引き」を参考に、いつ起こるか分からない災害への備えを、地域と一体となって、また各関係団体の方々と共に推進して参ります。