会派視察1日目は、金沢市の「歩けるまちづくりの推進」に関する視察を行いました。金沢市は、戦禍にあっておらず、城下町の都市構造が現存しているため、道路空間が狭いという特徴があるまちです。つまり、近世の都市構造が残存しているため、徒歩を前提に「まち」が形成されています。歴史文化遺産を保存する観点から、自動車等の車輌を通すための道路拡幅は困難であり、歩行者優先のまちづくりが必要です。
金沢市では、まちなかにおける、自家用車等の流入を抑制し、徒歩やバス、自転車等による人中心の空間を形成するために、様々な施策を行っています。「歩けるまちづくり協定」を6地区と締結し、歩行者専用道路規制や一方通行規制を実施するなどし、歩きやすい安全な歩行空間を確保しています。それら規制の導入に合わせて、平成11年から「金沢ふらっとバス」の運行を開始しています。現在では、4ルート設定され、細街路等を走行する短距離、少量多頻度、巡回型で運行をしています。利用料金はおとな100円、こども50円で、公共交通機関利用促進につながっています。
市民のライフスタイルに自転車が浸透し、誰もが安全で快適に自転車を活用できるまちを創るという、基本目標を掲げ、自転車の活用を推進しています。自転車通行空間の整備や自転車事故多発箇所における交通安全対策の推進、駐輪場の利用環境の向上、自転車ルールの遵守やマナーの向上、シェアサイクルの利用促進など、自転車施策を展開しています。自転車通行に関しては、近年重大事故が取り沙汰されています。金沢市では関係団体(警察や学校、地元ボランティア等)と連携して、毎月15日をマナーアップの日とし、街頭指導を行い、自転車交通安全の向上をはかっています。
金沢市の「歩けるまちづくりの推進」を学んだ後は、実際に東茶屋街の伝統的建造物保存地区を歩きました。第3次金沢交通戦略がめざす「歴史や文化などの魅力が楽しめる人中心の移動環境の充実」を体感することができました。横浜市には、みなとみらい地区等の都市部、青葉区のような郊外部があり、地域の実情に応じた「歩けるまちづくりの推進」が求められます。金沢市で学び経験したことを礎に、横浜市が安心して楽しく歩けるまちになるよう、取組みを進めて行きたいと思います。