子ども青少年・教育委員会視察、2日目の午前は、鹿児島県における教育現場のデジタル化の取組みについて、視察を行いました。鹿児島県教育委員会では、小中高の12年間を見通した教育情報化を推進しており、県内公立学校であれば、小中高同じアカウントで、学習成果の保存や教育コンテンツの利用ができます。
また、鹿児島県の特徴として、多くの離島があり、少人数校の児童生徒がデジタルにより繋がり共に学習する機会が日常的に設けられています。教員についても、離島をつないで、同時に英語や数学、理科などの授業を行えることで、教員にとっても、児童にとっても、効果的な学習法が実践されています。さらには、教員相互の情報交換や各種研修会の開催情報等を共有するアプリ『Kago GIGA 情報交流室』があり、デジタルに関する困ったを教員間の連携で解決できるシステムも構築されています。
令和6年度の全国学力・学習状況調査では、授業におけるICT活用について、「ほぼ毎日」「週3日以上」割合が、97.2%と高くなっています。デジタル活用に熱心な教員のいる学校では、児童生徒のデジタル化も進む傾向にあり、生徒会長を選ぶ際にデジタル投票を行ったりしているそうです。
しかし、デジタル化には慎重に取組むべき点もあります。AIなど、デジタルツールは便利である一方、正しい情報であるか等を見極める視点を養わなければ、誤った知識や情報を習得したり、提供してしまうリスクがあります。またデジタル偏重にならないよう、リアルな体験やつながる体験とのミックスで、デジタルを推進していく必要があります。
鹿児島県教育委員会の取組みから、デジタルを活用することで、教員にとっても、児童生徒にとっても、様々な学びの広がりを創ることが出来ることを学びました。横浜市の教育現場で、小中高一貫したアカウントを活用するには、神奈川県との連携が必要であったり、大規模な自治体でのアプリの活用には工夫が必要と考えます。
鹿児島県教育委員会の取組みの良い点を取り入れながら、横浜らしい教育のデジタル化を推進して行きたいと思います。また、全国どこでも、どの学校でも同じアカウントで等しく教育を受けられたり、全国の教員間の交流や働き方改革に繋がるような、未来を見据えた教育のデジタル化についても、視点を広げて行きたいと思います。