義肢装具とは、「義肢」と「装具」の言葉を組み合わせた用語です。
「義肢」とは、病気やケガなどにより手や足を失った方が、装着する器具で、手の代わりになるものを義手、足の代わりになるものを義足と言います。「義肢」は、元の手や足の機能と形を復元するため装着、使用する人工の手足です。「装具」とは、病気やケガなどにより手や足、腰や首など体の部位に、痛み、損傷、麻痺などが生じたときに、治療や症状の軽減を目的として装着する器具です。また、治療、リハビリ、日常生活の補助などの目的で使用するものや、予防や矯正を目的とするものもあります。
義肢装具は、一人一人の身体状態に合わせて、微細な調整が必要であり、義肢装具の専門家である義肢装具士、義肢装具を作製する技術は、何らかの障がいを抱える人の暮らしを支え、豊かにする上で欠かせない存在です。
世田谷区用賀にある『小原工業』には、日本に数少ない、3次元CADを使った、義肢装具を作製する機械を有しています。3次元CADを使うことで、より個別性に応じた義肢装具を作製できること、短時間で完成できること、内部構造を工夫し、軽量かつ耐久性のある部材を作れることなど、様々な利点があります。
コロナ禍は、特に海外から部材が入らず、義肢装具を必要とする方々にとって、小原工業の技術は欠かせないものでした。0.03mm単位の調整を、職人が長年の経験と勘で作り上げる義肢装具は納得の高精度製品です。その技術は、義肢装具だけでなく、微細なデザインを有するフィギュアにも応用できます。
これまで、看護師として、義肢装具を利用されている方々にお会いすることがあっても、製作の現場を見るのは初めてでした。こうした、日本の町工場の技術が、世界をリードし、人々の生活をより幸せに豊かにしている事を知り、横浜の技術にも着目して行きたいと思います!