郊外部活性化特別委員会視察の2日目は、大阪府富田林市の金剛地区魅力向上拠点「∞KON ROOM 」(インフィニットコンルーム)を視察しました。
金剛地区は、南海電鉄金剛駅東側に広がる住宅団地で、昭和40年代にUR都市機構が開発しました。富田林市のニュータウンとして、高度経済成長に伴う人口流入を受け入れると共に、良好な住環境を備えた「まち」として発展、成熟しました。
開発後半世紀以上が経過し、人口減少、少子高齢化、施設の老朽化が進み、再生・活性化の取組が必要となり、富田林市が2017年に「金剛地区再生指針」を策定しました。
再生・活性化のテーマは、住民主体で設定され、「居場所づくり」「イベント企画」「防災活動」「公園活用」の4つが主なテーマとして掲げられました。4つのテーマのうち、住民の関心が特に高かったのが、「居場所づくり」でした。
2020年7月にUR賃貸ショップ金剛が一時移転となり、その空施設を活用し、富田林市が金剛地区魅力向上拠点「∞KON ROOM」を2021年1月にオープンしました。コロナ禍における、ライフ・ワークスタイルの変化を踏まえた、多様な世代が「はたらく」「まなぶ」「つどう」事ができる場で、コワーキングスペース、自習スペース、会議スペース、休憩スペース、情報発信の場が整備されています。
(株)ダン計画に業務委託し、施設の運営管理だけでなく、イベント企画や拠点ニーズや運営スキームを把握するための社会実験も行われています。運営には地域住民もサポート・ボランティアスタッフとして関わり、活躍の場にもなっています。
施設内外には木の温もりを感じ、什器やベンチは、施設イベントとして地域住民がDIYで作りました。また、施設利用者の地域ニーズから、昨年11月から地場野菜のマルシェを週2回実施しています。私たちが視察した際には、フォトコンテストも行われており、来訪者が楽しんでおられました。
施設利用者には、地域の中高生が多いとの事です。放課後の居場所として、自学習の場として大きな役割を果たしており、定期テスト前には沢山の生徒が集まります。他にも、高齢者のウォーキングポイントのカードリーダーが設置されており、お散歩ついでに立ち寄る方も多く、多様な世代が集まる魅力的な場となっています。
「∞KON ROOM」は、一時的な空施設を活用しているため、2023年2月末までの開設予定であり、次の展開の場がまだ決まっていません。社会実験等を通じて得られた金剛地区のニーズを活かした施設運営が地域の魅力を向上し、将来に渡って住み続けたいまちになる可能性を秘めています。今後の動向にも着目して行きたいと思います!