子ども・青少年教育委員会視察3日目は、熊本大学病院小児在宅医療支援センター、熊本県医療的ケア児支援センターを視察しました。医療的ケア児は、日常生活および社会生活を営むために恒常的に医療的ケア(人工呼吸器による呼吸管理など)を受けることが不可欠な児童で、熊本県内には286名(令和3年度調査)います。医療的ケア児を取り巻く環境は、多様な専門職種が関わっていることが特徴として挙げられます。
そのため、各専門職種が互いの立場や役割を理解、尊重して、児にとって最善の保育・教育、ケアを行う必要があります。支援センターでは、熊本大学医学部や教育学部、他大学の保育士養成課程、他の看護専門学校等で、医療的ケア児への保育や教育への理解を深める講義を行ない、未来の人材育成に取り組んでいます。そして、医療的ケア児をケアする看護人材育成にも力を入れており、看護師復職支援のための小児の医療的ケア研修を実施しており、人材確保にも繋がっています。
熊本県教育委員会には、教育委員会所属の看護師が3名配置されており、小中学校や支援学校を巡回しています。教員と看護師との調整役を果たし、教育現場で発生しやすい、教員と看護師とのギャップを埋める(教育とケアとのバランスをはかる)重要な役割を果たしています。センターでは、ケア児の災害対策にも力を入れており、市町村を対象とした医療的ケア児の防災についての研修会を実施するなど、ケア児の個別避難計画や災害訓練が推進されるよう取組みを進めています。
医療的ケア児の命とこころを守る取組みは、社会全体で責任を持って行わなければなりません。地域の皆さんにも医療的ケア児の存在を知って頂き、日頃から顔の見える関係性で、平時も非常時もともに生きる社会にして行く取組みを、横浜市において進めて参ります。